田舎に住んでいても、「人と人とは、つながっているんだ!」そんな素敵な思いになる出会いをくださったのが、昨年11月に亡くなられた菅原文太さんと今回テッラ・マードレに来てくださる文子さんご夫妻でした。
短角牛がどんどん減りゆく時、岩手、秋田、青森の生産者も嘆き、苦しんでいました。急斜面の野草を刈り取り、猫の額ほどの畑に飼料用作物を植え、短角牛と共に暮らした日々をやすやす捨てられない。日の当たらない谷間の一点の光をどうして消せますか?!そんな仲間たちに、元気と勇気をあたえてくれたお二人。
菅原ご夫妻が歩んだ軌跡をたどりながら、短角牛に寄せていただいた思い、食に対する思いと情熱。畑に身を置き、土に触れさらに深まる思いと、笑われても貫きとうした次の時代への夢と期待。多くの人たちの心に響いたメッセージをここでもう一度、みなさんと共有したいと思います。(高橋祐之・えりも町短角牛生産者)
菅原文子(山梨県・農業生産法人おひさまファーム竜土自然農園)&高橋祐之(えりも町・短角牛生産者)
1942年 東京生まれ 母は函館生まれ、祖父は竹村水産(祖父の死後に日ロ漁業に吸収)という北洋漁業の開拓者の一人。
1965年 立教大学文学部卒
2009年 農業生産法人で無農薬有機農業の(株)おひさまファーム竜土自然農園を亡夫菅原文太、友人たちと共に設立。現在、同法人の役員として農業に従事。
1958年えりも町生まれ。
昆布漁と、短角牛の牧場を経営。百人浜を臨む約100ヘクタールの放牧地で、短角牛260頭を飼育している。牛は親子で放牧し、堆肥を牧草地に還元する循環型農業を実践する。2001年にファームイン『守人(まぶりっと)』、2002年に焼き肉『たんたん』もオープン。
短角牛は、スローフードの国際登録制度「味の箱舟」にも登録されている。
「テッラ・マードレ・ジャパン in 北海道 2015」の実行委員長を務める。