熊本の南阿蘇から、農業、農村の新しい価値について発信や活動を続けている4児の母、ERI]さん。阿蘇を世界農業遺産登録へ導いた一人でもあります。宮城県気仙沼の菅原さんは、商工会議所の会頭という立場を超えて幅広く活動しています。震災から5年を迎えようとしている中でも、気仙沼の誇りは、恵まれた自然環境と食、そこに暮らす自然と調和した暮らしであると、経済成長の持続性ではなく生活の場の持続性を考えたまちづくりを提唱し続けています。そして、地元十勝芽室の尾藤さんは、大規模な畑作農業を営みながら、常に地域を見つめながら、その取り組みを未来に繋いでいます。
「大地に根ざして生きる」この3人から語られる言葉を紡ぎあい、次世代に何が残せるのか?一緒に考えたいと思います。
出演:菅原昭彦(気仙沼市・男山本店)、ERI(熊本県南阿蘇村・田舎のヒロインズ)、尾藤光一(芽室町・畑作農家)
1974年ドイツで生まれ、生後8か月で帰国。東京育ち。慶応大学環境情報学部を卒業した後、熊本出身の夫と結婚し、共にミュンヘン工科大学(ドイツ)に留学して、修士課程を修了。専門はランドスケーププランニング(景観計画)。2003年から夫の郷里である南阿蘇で就農し、無農薬米の栽培に取り組む。全国の一般家庭に産直販売している。一緒に経営している叔父があか牛(繁殖)を飼育しており、いずれは肉の直売や加工も手がけたいと考えている。NPO法人九州バイオマスフォーラム副理事長。阿蘇環境デザイン策定委員など。2014年にNPO法人田舎のヒロインズ理事長に就任。2015年には農山村における再生可能なエネルギーの利用普及を目指して里山エナジー株式会社を設立し、代表取締役に就任。農業、農村の新しい価値について発信や活動を続けている3児の母。
日本酒「蒼天伝」醸造元㈱男山本店代表取締役。スローフード気仙沼の理事長として、持続可能な循環型地域社会の実現を目指して、気仙沼スローフード都市宣言、プチシェフコンテスト、気仙沼スローフードフェスティバル、食産業の振興など「食」をテーマとした活動を展開し、その中心的役割を担ってきた。震災後は本社と倉庫を全壊流失した会社の復旧を行いながら震災復興会議委員、内湾地区復興まちづくり協議会会長として、津波で壊滅的な被害を受けた市域の復旧・復興、産業再生に取り組んでいる。
気仙沼の誇りは、恵まれた自然環境と食、そこに暮らす自然と調和したくらしであり、そして個性豊かな独自の地域文化であるとの認識から、地域の再生にあたっては精神性や文化・伝統つまりスピリットやマインドは継続させていくことが大切であると考え、経済成長の持続性ではなく生活の場の持続性を考えたまちづくりを目指して活動を行っている。
2013年には日本で初めてのスローシティ―の認定に尽力、同年11月から気仙沼商工会議所会頭に就任。
現在、インフラ整備の遅れ等により産業復旧は震災前の6割程度、仮設住宅にはまだ市民の8人に1人が暮らす状況が続いているが、こういう時こそスローフードの哲学や活動が大切であり、そのことによって市民が自信と誇りを取り戻し、特に子供たちに自然に恵まれて豊富な食材の中で暮らす幸せを感じて貰いたいと考えている。
1963年生まれ。専修大学北海道短大 農業機械科卒業。
(有)美等農産入社(耕地面積 60ha)。
1990年、ソイル・リサーチ・ユニオンSRU設立メンバー。
アメリカ合衆国 オハイオ州 ブルックサイド研究所にて、コンサルタントDr・エリック川辺氏に師事。
農業の基本は「自然との共存・土との共存」と考え、低投入持続型農業を目指す。
2004年、NPO法人未来農業集団準備委員会代表。
翌年、NPO法人未来農業集団3月認証後、理事就任。食育事業、グリーンツーリズム事業の推進。
2008年(有)尾藤農産 代表就任(耕地面積100ha うち借地7ha)。(株)味楽来「焼肉KAGURA」開店。
2009年(株)守破離「BAR守破離」開店。コンセプトは「地産地消を進め、歴史的赤レンガ