トマム~占冠中央間にある鵡川の古い落差工は、鵡川本流唯一の魚道整備のない人工物で、魚類の往来など自然循環の妨げとなっており、近年の住民主催による環境セミナー等でも指摘されてきました。このことから2015年度は、北海道開発建設部の支援をいただきながら 「鵡川の落差工を考える住民会議」を創設し、住民自らが関わりを深めながら落差工のあり方を考えていきます。住民参加による取り組みは、川や森などの地域環境への興味を喚起し、魚道設置後もその成果や経過を見守り、さらなる環境保全を考えるきかっけになります。また、「川」を象徴とする水の循環を流域全体で考える機会にし、今後起こりうる様々な環境問題を解決する住民意識の醸成を目標とします。
すでに6月から、環境調査の専門家の協力を得ながらワークショップを通じて理解を深め、住民にも環境調査に参加しています。「テッラ・マードレ・ジャパン in 北海道」では、この途中経過を報告し、さらにはワークショップ形式で参加者の意見も聞いていきたいと思います。住民ひとりひとりがこうした公共事業に関わりを持つことも、今後「大地とのつながり」を考える上でとても大切なことです。
主催:鵡川の落差工を考える住民会議
共催:旭川建設管理部富良野出張所・占冠村公民館(自主創造プログラム)
後援:占冠村・スローフードしむかっぷ・占冠村サケ・マス等魚を育む会・ふらの市民環境会議
協力:オフィスマルマ
1965年札幌市生まれ。環境コンサルタントoffice malma代表「自然環境と社会の架け橋になる」を天命に、生物多様性保全の視点から、各種の公的な環境調査や保全計画・設計提案業務に従事。事業者や市民に対する環境保全スキーム仕掛人の顔も。また、著述家や野生動物写真家としても活躍、特に水中写真は雑誌・書籍、学術データベース、博物館展示などに多数供されている。1級ビオトープ施工管理士。