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C-14 「米とカカオの甘~い発酵」

報告:おおまち かおり

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 米とカカオは国や文化は違うが発酵に深~く関わる農産物だ。札幌発酵研究所・南智征氏とカカオラボ・ホッカイドウ鈴木やすお氏を講師に、米とカカオの歴史的背景と発酵文化を紐解いた。
 米からできる麹、最古に発見されたのは稲に派生する稲麹だ。 稲麹が麹菌、麹米と変化し発酵して日本酒に、麦や大豆等と合い熟成発酵し味噌や醤油・みりん等の伝統調味料となる。稲麹は日本文化・食文化の発祥であり、発酵が欠かせない。「やさし~い甘さ、あっさり爽やかな味わい」と一口一口確認するように試飲したのは、自然農法米の麹を用いた甘酒。 甘酒は麹か酒粕を用いるが、道内では酒粕派が多く、参加者も麹甘酒が初体験が多い。 酒粕甘酒は砂糖を加え発酵を促すが、麹甘酒は米と麹のみ。 麹酵素で米のでんぷんが分解し甘味となる自然食、腸内環境を整える作用もあり健康食として認識を深めた。
 「カカオは木の実、果物なんだ!」手の平サイズのカカオの実、殻の中にはフワフワと白い綿のような繊維に種が包まっている。 マヤやインカ時代から歴史をもつ。 昔々アマゾンではおサルさんがカカオの実を食べ、捨てていた苦い種が自然発酵したものが発見されたのが食用のきっかけという。 チョコレートのように甘く食べる習慣は元々なく、今でも酸味の強いジュースや砕粉したカカオにスパイスを混ぜた調味料が伝わっている。 ガーナとベトナム二か国のカカオの香りや味を比べてみると、ガーナは甘味が強く、ベトナムはフルーティーな酸味…米とカカオ、食べて飲んで香って、講師陣が熱心で参加者からも質問や感想が飛び交う和気あいあいと体感したワークショップだった。道内で稲麹が発見されたらオール北海道の食材で日本酒や調味料ができる、そんな日が楽しみだ!

※気軽に麹甘酒つくってみよう!おかゆに麹を加えて50℃をキープ・一晩おくと甘酒のできあがり!お腹の中から「ぷくぷく発酵」楽しく始めてみんなで発酵文化を盛り上げましょう~!


プログラム詳細

C-14 「米とカカオの甘〜い発酵」