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A-7 講演&トークセッション「食の未来・大地の未来」〜次世代に残したいもの

報告:真砂 徳子

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 「生ハムは食べれば私の一部になるが、アルマーニのパンツは履いても私の外側についているだけ。どちらにお金を使うかと問われれば、私はアルマーニではなく生ハムに使いたい。」とは、スローフードインターナショナルのカルロ・ペトリーニ会長の言葉。耳慣れない横文字の名称に、正直どこか敷居の高さを感じていた今大会。開会式で会長のビデオメッセージの一言に思わず笑いながら、テッラ・マードレ初参加は、私にとって至極身近な、足もとをみつめ直す機会になるのではないかという予感にときめいていた。
 講演&トークセッション「食の未来・大地の未来〜次世代に残したいもの〜」では、開口一番、芽室町で低投入持続型農業を志す尾藤さんが、銀河のごとく無数の星がまたたくような写真を提示し、多様な微生物のいる土中の様子だと解説。普段意識することのないミクロの世界の豊かな営みに目を奪われた。日本で初めてスローシティの認定を受けた気仙沼市で食産業の振興に尽力されている菅原さんは、地域の歴史や風土、文化に息づくスローフードの哲学や活動は、震災復興の力になると語った。若手女性農家が集うNPO法人田舎のヒロインズのリーダーも担うERIさんは、素敵なファッションで登場。よくみると農村の景観写真がプリントされたものだとわかり感心!他にも農山村にある資源に着眼した再生可能エネルギーについてオンライン講座を開くなど、農業の新しい価値を発信し続けるヒロインズの発想力とバイタリティに驚嘆した。
 皆さんの信念や使命感にも触れた1時間半は、一消費者の私でも次世代に向けてできる事があるのでは?と、思い巡らせるひとときでもあった。  テッラ・マードレ後は、「農」や「食」の真価を意識して、買うもの、食べるものを選ぶようになった。少しお金がかかる場合もあるけれど!台所で、食卓で、スーパーマーケットで、自分なりに豊かな未来を志向する毎日を愛しく感じている。

プログラム詳細

A-7 「食の未来・大地の未来」〜次世代に残したいもの〜